顧客は理由もなく離れることはありません。「求めていた商品とは少し違った」「品質に対して価格が見合わない」など、さまざまな理由から利用をやめることがあります。顧客が離れた場合、それを補うためには新規顧客を獲得する必要がありますが、その獲得には既存顧客の維持より多くのコストがかかります。そのため、顧客離れを防ぎ、既存顧客との関係を維持することが重要です。
この記事では、顧客離れの概要や原因、対策方法を解説します。

顧客離れとは
顧客離れとは、顧客が企業の商品やサービスの利用をやめて離れていくことです。顧客が商品やサービスに満足しているかどうかを測るうえで、重要な指標の一つとされています。特に、月額制のサブスクリプションサービスのように、顧客の継続利用によって収益を得るビジネスでは、顧客離れを抑えることが極めて重要です。
顧客離脱の種類
顧客離れには、主に以下の2種類があります。
- 自発的解約:顧客自身がサブスクリプションやサービスの解約をすることで発生
- 非自発的解約:顧客が自ら解約手続きをしていないにもかかわらず、サブスクリプションやサービス利用が終了することで発生(例:登録しているクレジットカードの有効期限切れで料金が引き落とせなくなるケースなど)

顧客離れの原因
- 顧客ニーズの変化に対応できていない
- 商品やサービスの品質に対する不満
- 商品の在庫切れが多い
- カスタマーサービスやサポートへの不満
- 価格に対する不満
- 購入や返品、交換の手続きが複雑
- 競合他社への乗り換え
- ロイヤルティプログラムや特典の不足
顧客離れを防ぐには、まず顧客が離れてしまう原因を把握することが重要です。原因を特定できれば、自社の商品やサービス、顧客対応などに応じた適切な対策を講じられます。
顧客ニーズの変化に対応できていない
顧客のニーズや期待は、トレンドやライフスタイルの変化などによって変わります。こうした変化に対応できず、従来の商品やサービスが顧客の求める価値と乖離してしまうと、顧客満足度が低下し、顧客離れにつながる可能性があります。
商品やサービスの品質に対する不満
商品やサービスの品質が顧客の期待に達していないことは、顧客が離れる大きな理由の一つです。不満を感じた顧客は自社との取引をやめるだけでなく、低評価の口コミによって新規顧客の獲得にも悪影響を及ぼす可能性があります。
商品の在庫切れが多い
商品の頻繁な在庫切れは、競合他社へ顧客が流れる原因となります。顧客が求めているタイミングで商品を提供できる体制を整えなければ、顧客ロイヤルティの低下や、チャーンレート(解約率)の上昇につながります。
カスタマーサービスやサポートへの不満
顧客がサポート対応を不十分だと感じたり、カスタマーサービスの質が低いと判断したりすると、リピート利用をやめてしまう可能性が高くなります。たとえば、問い合わせへの対応の遅れや不十分なサポートが積み重なると顧客の不満が大きくなり、企業への信頼失墜につながります。
価格に対する不満
価格が商品やサービスの価値に見合っていない場合、顧客はより手頃で価値の高い他社の商品やサービスへの乗り換えを検討します。特に、同等の品質やサービスをより安く提供する競合がある場合、顧客は他社を選びやすくなり、顧客離れが加速します。
購入や返品、交換の手続きが複雑
購入や返品、交換の手続きが複雑だったり、条件が厳しかったりすると、顧客の不満を招き、顧客離れの原因になります。さらに、こうした不満は口コミを通じて拡散し、新規顧客の獲得にも不利益をもたらす可能性があります。
競合他社への乗り換え
競合他社がより魅力的な商品やサービスを提供している場合、顧客は自社と比較したうえで、他社へ乗り換えることがあります。特に、自社の商品やサービスに対する不満や物足りなさを競合他社が解消している場合、他社への乗り換えが起こりやすくなります。
ロイヤルティプログラムや特典の不足
ロイヤルティプログラムやリピート顧客向けの特典がない場合、顧客は継続利用するメリットを実感しにくくなります。自社の商品やサービスの品質が高くても、購入のたびに割引やポイント、特典などを受けられる競合他社があれば、よりお得感のあるサービスへ乗り換えるリスクが高まります。

顧客離れを防ぐための対策7選
- カスタマーサービスを改善する
- ロイヤルティプログラムや特典を導入する
- 価格設定を見直す
- 顧客のフィードバックを商品やサービスの改善に活かす
- 購入や返品、交換の手続きを簡素化する
- 商品の品質や在庫状況を定期的に確認する
- 顧客とのコミュニケーションを継続する
1. カスタマーサービスを改善する
電話やメール、LINE(ライン)などの多様な問い合わせ手段に加え、よくある質問やチャットボットを用意し、迅速かつ丁寧に対応できる体制を整えます。顧客が必要なときに必要なサポートを受けられる環境を整えることが重要です。
また、SNSを通じて顧客のリアルな意見を収集し、寄せられた不満や要望に適切に対応することも有効です。定期的なスタッフ研修を実施し、カスタマーサービスの質を高めていきましょう。
2. ロイヤルティプログラムや特典を導入する
ポイントや特典を提供するロイヤルティプログラムは、顧客の継続利用を促す有効な方法です。購入金額や回数に応じてポイントや割引などの特典を提供することで、顧客が利用を継続するメリットを感じやすくなります。
また、会員限定の特典や紹介によるインセンティブなどを設けると、顧客獲得単価(CAC)の削減に寄与します。顧客ロイヤルティを高めて顧客との長期的な関係を築くことは、最終的にCLV(顧客生涯価値)の最大化につながります。
3. 価格設定を見直す
顧客が価格に対して十分な価値を感じられるよう、顧客の反応を確認しながら価格調整を行います。具体的には、端数価格によって割安感を与える心理的価格設定や、複数の商品またはサービスを組み合わせて提供するセット価格などの方法があります。
こうした価格設定を取り入れることで、商品の価値を保ちながら、顧客が購入しやすい価格に調整できます。
4. 顧客のフィードバックを商品やサービスの改善に活かす
顧客の意見から不満やニーズを把握し、商品やサービスの改善に活かすことで、顧客満足度を高められます。たとえば、配送スピードに関する課題が多く見られる場合、フルフィルメントや3PLを活用して配送業務の最適化を図ることができます。
また、CRM(顧客管理システム)で購入履歴や問い合わせ内容などの顧客情報を一元管理し、属性や行動傾向を分析することで、顧客の不満やニーズを把握して改善につなげられます。
5. 購入や返品、交換の手続きを簡素化する
購入から返品、交換までの手続きを簡素化できれば、顧客の負担を軽減し、満足度を高められます。たとえば、購入手続き(チェックアウト)に必要な入力項目を最小限にし、Shop Pay(ショップペイ)などと組み合わせてワンページチェックアウトを導入する方法はスムーズな購入を後押しします。
また、返品や交換の条件を明確にし、期間内(30日以内など)であれば理由を問わず返品または交換できる制度を設けたり、返送料を無料にしたりすることも有効です。
6. 商品の品質や在庫状況を定期的に確認する
商品やサービスの品質と在庫状況を定期的に確認し、安定して提供できる体制を整えることが重要です。たとえば、在庫管理システムで在庫数を把握し、一定の水準を下回った際に自動で発注する仕組みを導入する方法があります。
また、サプライヤーとこまめに情報を共有し、品質や納期に問題がないか確認することも大切です。業務の無駄や問題点を見直し、商品を必要なときに提供できる状態を維持しましょう。
7. 顧客とのコミュニケーションを継続する
購入後も顧客との接点を持ち続けることは、顧客離れを防ぐうえで重要です。メールマーケティングやShopify Messaging(ショッピファイ・メッセージ)などを活用し、お礼メールやメルマガ、顧客の状況やニーズに合わせた情報を定期的に届けることで、顧客との関係を長期にわたり維持できます。
まとめ
顧客離れは、売上や利益の減少にとどまらず、新規顧客獲得コストの増大やブランドイメージの低下につながるリスクがあります。顧客が離れる原因は、顧客ニーズの変化、商品やサービスへの不満、価格への不満、購入や返品・交換手続きの複雑さ、在庫切れなど多岐にわたります。まずは顧客の声や行動を分析して原因を把握し、影響の大きい課題から改善していきましょう。
カスタマーサービスの改善やロイヤルティプログラムの導入、価格や購入プロセスの見直しなど、顧客が継続して利用しやすい環境を整えることが、顧客離れの防止につながります。
顧客離れに関するよくある質問
顧客離れの対策が必要な理由は?
顧客離れが進むと、売上や利益が減少するだけでなく、それを補うために新規顧客獲得のための広告費やマーケティング費用が増大します。さらに、口コミや紹介の機会が減り、ブランドイメージの低下や競合他社への顧客流出につながるリスクもあるため、組織的に顧客離れを防ぐ取り組みが不可欠です。
顧客離れを防ぐために、まず何から取り組むべき?
顧客離れを防ぐためには、まず原因を把握することから始めましょう。顧客アンケートや問い合わせ内容、SNS上でのコミュニケーションを通じて、顧客がどのような点に不満を感じているのかを正確に把握します。そのうえで、影響の大きい課題から優先的に改善へつなげていくことが重要です。
顧客離れと顧客維持の違いとは?
顧客離れは既存顧客が商品やサービスの利用をやめることを指し、顧客維持は現在の顧客との関係を維持し、商品やサービスに満足して継続利用してもらうことを指します。




