メールやメッセージアプリ、チャットボットが普及している今、顧客にとって企業へ直接電話をかけることは、かえって新鮮に感じられるかもしれません。事業用の電話番号を用意すれば、こうしたニーズに対応できるだけでなく、個人の電話番号を非公開にしておくこともできます。
事業用の電話回線を設定すること自体は比較的簡単ですが、会社の規模や利用目的によって、適した選択肢は異なります。
この記事では、法人向け電話番号の取得方法をはじめ、主な種類や選び方について解説します。
事業用の電話番号を持つべき理由
小規模ビジネスやECショップを運営している場合、事業用の電話番号を持つことにはさまざまなメリットがあります。主な理由は次のとおりです。
- 仕事上の連絡を整理しやすい。事業用の電話番号を設定すれば、私用と仕事の通話やメッセージを分けて管理できるため、仕事に関する連絡を探す手間を減らせます。
- 個人の電話番号を非公開にできる。個人の携帯電話など、すでに使っている回線をそのまま利用したくなるかもしれませんが、事業用の電話番号を別に用意することで、プライバシーや安全性を守りやすくなります。
- 顧客対応をよりプロフェッショナルにできる。事業専用の電話番号があれば、会社としての信頼感を高められるほか、会社専用の自動応答メッセージや留守番電話の案内を設定できます。
- 従業員も利用できる。従業員がいる場合は、経営者の個人番号だけで顧客対応を行うのは現実的ではありません。専用の事業用電話番号を用意すれば、社内で共通の窓口として利用し、複数の担当者が顧客対応を行いやすくなります。
- 事業の成長にも対応しやすい。専用の電話番号を最初から用意しておけば、事業が拡大しても同じ番号を継続して使いやすく、後から連絡先を変更する手間も抑えられます。
法人向け電話番号の種類
事業用の電話番号には、いくつかの種類があります。どの番号を選ぶかは、予算や利用目的によって異なります。
市外局番から始まる電話番号
03や06など、市外局番から始まる電話番号は、特定の地域と結びついた電話番号です。どの地域の番号かが分かりやすいため、実店舗を持つショップやレストラン、ハウスクリーニング、建設、ケータリング、ウェディングサービスなど、地域に根ざして事業を展開するビジネスに適しています。
主にオンラインで商品を販売し、全国各地や海外から問い合わせを受ける場合は、特定の地域にひもづく電話番号が必ずしも最適とは限りません。
IP電話・クラウド電話の番号
IP電話やクラウド電話は、インターネット回線を利用して通話できる電話サービスです。特定の場所や固定電話機に縛られず、スマートフォンやパソコンなどから利用できるサービスもあります。
IP電話では、050から始まる電話番号も広く利用されています。通常の電話番号と同じように発着信できるほか、サービスによっては複数の従業員で同じ事業用番号を共有したり、外出先から会社の番号で応対したりすることもできます。
通話料無料の番号
通話料無料の番号は、主に「0120」や「0800」から始まる電話番号で、電話をかけた側ではなく、電話を受ける企業側が通話料を負担する仕組みになっています。顧客が通話料を気にせず問い合わせできるため、カスタマーサポートや注文受付などの窓口にも適しています。
一般には「フリーダイヤル」と呼ばれることもありますが、「フリーダイヤル」はNTTドコモビジネスの登録商標です。同様の着信課金サービスは、複数の通信事業者から提供されています。
利用する会社や契約内容によっては、一部の電話回線から発信できない場合があります。また、携帯電話やIP電話などからの発信を受け付けるかどうかを、企業側で設定できる場合もあります。導入する際は、どの種類の電話から利用できるのかも確認しておきましょう。
法人向け電話番号の取得方法
では、事業用電話番号を取得する手順を見ていきましょう。
1. ニーズと予算を明確にする
どの種類の電話番号を選ぶかは、事業の規模や予算によって大きく異なります。従業員が十数名いて、多くの着信に対応する必要がありますか?それとも、カスタマーサービス関連の電話はたまにしかかかってきませんか?電話番号の利用にどの程度の予算をかけられるでしょうか?
自社に適した電話番号を選ぶには、まずこうしたニーズと予算を整理しておくことが大切です。
2. 電話番号を提供する会社を選ぶ
必要な電話番号の種類や予算が決まったら、条件に合った会社を選びます。会社によって、市外局番から始まる電話番号、050番号、0120や0800などの通話料無料の番号など、取得できる電話番号や利用できる機能が異なります。
会社やプランを比較する際は、取得できる電話番号の種類だけでなく、初期費用や月額料金、通話料、対応している端末なども確認しましょう。複数の従業員で利用する場合は、同じ番号を共有できるか、着信転送や内線、自動音声案内など、必要な機能が備わっているかも重要なポイントです。
電話の利用頻度がそれほど高くない小規模な事業では、スマートフォンやパソコンから利用できるIP電話やクラウド電話も便利です。複数の部署や拠点で多くの電話に対応する企業なら、内線や着信の振り分けなど、法人向けの機能が充実したプランを検討するとよいでしょう。電話だけでなく、チャットなど他の問い合わせ方法も含めて、自社に合った顧客対応の方法を検討することが大切です。
3. 電話番号を取得・設定する
利用する会社やプランが決まったら、申し込み手続きを行い、電話番号を取得します。契約する会社や電話番号の種類によっては、本人確認書類や法人の確認書類などの提出が必要になる場合があります。
電話番号を取得したら、利用方法に合わせて必要な設定を行いましょう。留守番電話のメッセージや着信転送を設定するほか、複数の従業員で利用する場合は、内線や着信の振り分けなども設定します。スマートフォンやパソコンで利用する場合は、専用アプリのインストールや初期設定が必要になることもあります。
4. 電話番号を公開する
事業用の電話番号を取得・設定したら、顧客が連絡先を見つけられるように公開しましょう。自社サイトやECサイト、SNSアカウント、メールマガジン、店舗情報を掲載している各種サイトなどに電話番号を掲載します。
名刺にも電話番号を記載しておきましょう。ECショップを運営している場合は、商品に同梱する案内カードなどに連絡先を記載しておくと、購入後に顧客が問い合わせをしたいときにも役立ちます。
法人向け電話番号の取得方法に関するよくある質問
事業用の電話番号はどのように取得すればいいですか?
まず、自社に必要な電話番号の種類や機能、予算を整理します。そのうえで、条件に合った会社やプランを選び、申し込み手続きを行いましょう。取得できる電話番号や必要な手続きは会社によって異なるため、料金や機能とあわせて確認することが大切です。
事業用の電話番号の取得にはどれくらいの費用がかかりますか?
費用は、電話番号の種類や契約する会社、利用する機能によって異なります。初期費用や月額料金に加えて、通話料やオプション料金が発生する場合もあります。050番号など比較的低コストで導入できるものもあれば、固定電話番号や通話料無料の番号では料金体系が異なるため、必要な機能とあわせて複数のプランを比較するとよいでしょう。




